生徒がショパンのポロネーズop26-1を持ってきたので、久しぶりに弾けるように練習してみました。
最近はほとんどショパンの曲は自分では弾いておらず、もっぱらラベル、ドビュッシー、メトネルなどの作曲家ばかり弾いていたのですが、ふと久しぶりにショパンの作品を真面目に弾いてみました。
私はピアノの響きに無頓着な作品に興味がありません。
なので現代曲はもちろん、あまりペダルを使わない曲も興味があまりないのです。
昔、パデレフスキーというピアニストが確か「現代曲はピアノを憎んでいる」とか言ったような発言があったと思います。
いったいどの曲を指していたのかはわかりませんが、とにかく現代曲が気に入らなかったということなのだと思います。
私も同感で(汗)憎んでいるとは思いませんが、やっぱりピアノの響きを無視している作品は、正直、あまり弾く気になれません。
ドビュッシー、ラベル、メトネル・・・これらはもちろんピアノの響きには大変関心を持っていたと思います。
メトネルは独特で、ロシアらしい、ちょっとくらい色彩感ではありますが(笑)
ただ、久しぶりにショパンを弾いてみると、そこには、それらの作曲家をはるかに凌ぐ、ピアノの響きを求めていることに驚かされました。
言葉でそれを表現することはとても難しいのですが・・・
なんていうか・・・最大限のミニマムpppを利用するのです。
そうすることによって独特の音の響きが生まれるのです。
長い間ショパンから離れていたので再確認ができなかったのですが、正直、驚きました。
ワルシャワにはショパンコンクールという5年に一度のコンクールがあります。
ショパンばかり弾いて競うのですが、ある人が「ショパンが弾けたらなんでも弾ける。ショパンこそピアノ曲で最強の作品だ。だからショパンコンクールで賞を取った人はもうそれ以上何もコンクール歴はいらない」
と言っていたのですが、私もそう思っています。
ショパンがあまり好きでない人にとっては、あまり気に入らないことかもしれませんが(笑)
でも真剣にショパンを弾いてみてほしいのです。
私ももう一度、いくつかの弾いてきたショパンの曲をもう一度人前で、満足のいく仕上げ方で弾いてみたいと思っています。