先日、母校にてあるピアニストの演奏会があって行ってきました。
その名は・・・ケマルゲキチ(kemal ,gekic)
あんまり知らない人が多いと思います。
昔も聞いたことがあったんですが、まああまり気に入らなかった。
今回も多分気に入らない演奏だろうと思って、これがこの人は最後にしておこうかな。あーでもそれなりにいい面もあるかもしれないし、簡単に判断してはいけないだろうし、まあとりあえず聞きに行ってみようと出かけました。
確かに変わった演奏をするし(笑)楽譜に忠実でない演奏も多かったのですが・・・その一方で「この人、変わってるけど、やっぱすごいな。ただもんじゃない」と思ってしまいました。
色々考えさせられました。
どういうことかというと・・・。
例えば私は、正直、あんまりリサイタルって行かないんです。
行っても感動しないことが多いから。
しかし、大概演奏はいたって模範演奏的で素晴らしい。
よく弾けている。楽譜に忠実に音楽を再現している。
でも感動しないんです。
何かが足りない。
私は大概夕方は毎日仕事をしているので(年中無休です・笑)
なので夕方の仕事に休みを入れてコンサートに行くのは一大決心が必要なんです。
しかし貴重な休みを取って行ったコンサートで、コケられては意味がない(笑)
だったら家で練習していた方が良かったなあ、となってしまう。
そういう意味で私はクラシック曲というもの自体、将来性ってあるのだろうか、という疑問を持っているのですが。
話を戻しましょう。
このgekicという人、まずはリストの演奏は正直すごかった。
変なところはありましたが、でもとにかくスイッチが入ると、すごい演奏になる。
模範演奏とは程遠いのですが、それを上回る何かがある。
バッハの演奏も正直、生徒に聞かせたもんじゃない(笑)
ただ・・・やはり、ちょっとただもんじゃない演奏でした。
面白いことに、演奏の最後に持ってきた曲がこれがまた、あなた(笑)
カプースチンのソナタ1番(笑)
この作曲家、知っている人ならわかると思いますが、はっきり行って ジャズです。
このジャズを最後のプログラムに持ってくるか(笑)
しかもですよ!。しかもです!!
上記のYouTube演奏はカプースチン自作自演ですが、gekicの演奏はこの演奏をはるかに上回っていました。
あんなにすごいカプースチンソナタ、聞いたことがない。
驚いてしまいました。
それより何より、このgekicは母校の客員教授ですよ(笑)
客員教授が最後のプログラムでジャズを弾く。
ここはジャズ音大か?と思わせましたが(笑)
私は思うんです。
楽譜に忠実に演奏しなければいけないのがクラシックの掟なのはわかる。
クラシック以外はクラシックにあらずもよくわかる。
伝統音楽だということもよくわかる。
でもそれでは私も含めて誰もいずれ聞かなくなる。振り向かなくなる。
いずれクラシック音楽は敗退、そして絶滅する。
いつからクラシック音楽はこんなにつまらない音楽になってしまったのか?
私が愛聴する演奏家はほとんど戦前のピアニストのsp録音です。
戦後となるとグールドとか、ホロビッツとかいう変わった人しか聞かない。
あの時代は掟がなかったけど、本人がよく音楽をわかって弾いていました。
今の時代はどうだろうか?
いや何も楽譜を逸脱しろとは言わない。
コンクールなんてそれやったらこのgekicみたいにショパコンを予選で敗退してしまう。
様々な意見はあるでしょうが・・・。
私はやはり、gekicのような演奏を目指したいと考えています。
もちろん・・・
楽譜に忠実な演奏。
これも・・・挑戦したいかなあ。
両方、やってみたいと考えています。
宣伝じゃないけど、gekicの演奏会が近場であったら、聞いてみるといいです。
ハズレもあるかもしれないけど(笑)
感動する保証もしませんが(笑)
ああ、それと母校の公開コンサートは格安です。
調べたかったら、HPで探してみてください。
これが母校の発展につながるんだったら、喜ばしい。