高級原典版(?)について

楽譜のメーカーといえば日本では全音、音楽之友社が有名だと思います。他には春秋社とかもあるかと。

どちらかといえば青い楽譜の全音がお手頃な値段なので、ポピュラーですが、一方で玄人連中には輸入版が有名です。

ただ、この輸入版というのは値段がレートの関係もあるかとは思いますが少々値段が高い。

なので、買うのに躊躇して日本の楽譜を買いたくなるのですが・・・。

私はあえて強制はしませんが・・・

例えばショパンの楽譜ならばエキエル版が絶対的な選択肢として避けられません。

パデレフスキー版でもダメです。

ダメというか・・・損をします。

エキエル版はおまけに付録本がついており、その中には演奏についての注意書きと原本においての資料の注意書きが書いてあります。(ただし英語)

特に演奏においての注意書きが非常に重要なことが書かれており、ショパンではこう弾かないといけない、こう弾くと楽に弾ける等、興味深い内容が書かれています。

また楽譜に書いてある指使いにおいても斬新な内容があり、パデレフスキー版を選ぶ理由は現在ではないと思っています。

私がもう一つ、ぜひ選んで欲しい楽譜は・・・

実はラヴェルにおいてはペルルミューテル版。

ドビュッシーにおいては中井正子版を推奨しています。

どちらもラヴェル、ドビュッシーにおいては欠かせない解釈版(解説等、色々書いてある)です。

これ以外では・・・私の知るところでは・・・あまりこだわりはありません。

もっとも、ヘンレ版は見やすいという点で有名ですが。

ここで私なりのご意見。

エキエル版や、ペルルミューテル等の楽譜は正直、値段が高いです。

そうでなくとも、楽譜というのは一生モノ。

なんども買い換えるものではありません。

いわば聖書か教科書のようなものでして・・・

私はそういうバイブル的な楽譜に色々と書き込みをするのは正直ためらわれます。

特に生徒の楽譜に注意書きはためらいます。正直言って。

だってですねえ・・・エキエル版なんて1冊5000円もするものもありますから。

そんな高い高級楽譜に、間違っているかもしれない記述をやたら書けないですよ。

楽譜は一生ものと私は思っていますから、長年使うためにも、まっさらな状態にしておくべき・・・と思っています。

だからよく楽譜に赤ボールペンとか赤マジックとかって・・・

安い全音ならいいんでしょうけど・・・輸入版にボールペンかよ(汗)・・・と思ってしまいます。

なので私は絶対生徒の輸入楽譜に記述なんてほとんど書きません。

書いても鉛筆で薄ーく書くだけです。

聖なる聖書的楽譜に書き込みなんて・・・巨匠の書き込みならまだしも・・・(汗)

その代わり、できることならコピーして持ってきて欲しいと生徒には言っています。

コピーならいくらでもかけます(笑)

コピーをしてホッチキスで本にしてまとめてしまうのがベストなのですが、コピーをするもう一つの利点があります。

楽譜はなんども、めくっているとそれなりに痛んでくるのですが、やはり一生モノなので、高級楽譜はできれば大事に使いたい。

そういう意味ではコピーにしてしまえばいくらでも乱暴に扱えるわけで・・・。

まあこんなこと書くのは私だけかもしれません。

日本では堂々と輸入版にボールペンやカラーペンで・・・というのが普通なもんで(汗)

なんども言いますが、安い全音や音楽之友社ならいいんですけどねえ・・・。