どんな曲でも楽譜通りに弾くことは(テクニックを除けば)決して難しいことではないと思います。
ただ単にp,f,クレッシェンドをすればいいわけです。
しかし、それをやったところで果たして聴いている人たちが感動するのか?
それはまた別の問題です。
楽譜通りに弾いている。よく弾けている。でもこちらは感動しない。
そういうことはよくあることです。
じゃあどうすればいいのか?という時になかなか難しいことって結構あると思いますよ。
私だって決して自信はないです。
その時に、どういう弾き方があるのか?
名教授はそこに答えを出してきます。
今回、実はそのp教授以外の講師のレッスンで、ある生徒がショパンのバラード4番を弾いていました。
よく弾けていました。本当によく弾けているのですが・・・やっぱり感動したかといったらそうでもない。でも多分コンクールだったらいい点をもらえる演奏かなと。(そりゃ本場のワルシャワ、ショパンコンクールだったらわかりませんが)
そんな演奏を聴いた講師は「よく弾けています。コンクールだったらいい点もらえます」と言って、いくつかの注意を示して、他の曲の指導に移ってしまいました。
いや確かにコンクールだったらこれでいいかもしれない。でも高いレッスン代を払っているから、色々突っ込んで言わないとどうなのかな?とは思ったのですが・・・。
この辺り、p教授は色々突っ込んできます。
そこはやっぱり、コンクールだから・・・ではなく、いい演奏をしたかどうか?・・・に重点を置いていました。
つまりは・・・あなたはそれでショパンのこの曲への気持ちを代弁しましたか?という意味です。
p教授も含めて、名教授というものの指導には、やっぱり「即興性」があると思います。
即興性と聞いて、クラシック音楽に即興なんてあるのか?と思うかもしれませんが・・・。
即興性というより、なんていうか・・・発案性というか。
発案もおかしいなあ(笑)なんていうか・・・湧き出てくる音楽性というか・・・。
物理的にはppとかの多用で表現するんですが・・・。
ppとかの多用っていうのも説明になっていないなあ(笑)
つまりは楽譜に書いてある指示以上になにがしかの表現が必要になるんですよ。
そこが一歩間違えると、楽譜通りではないので、コンクールでは危なっかしいのですが。
でも本来そこが大事なんですよ。
まあ話が専門的かつ、わかりにくい話になってしまいましたが(汗)。
一方、今回私は若いピアニストたちの演奏を久しぶりに聴きました。
どうのこうの言っても、この若い人たちはよく頑張っています。
それはそれ・・・頭が下がりますよ。
あれだけの難曲をきちんと弾きこなしているんですから。
そりゃあ努力の賜物です。
(次回に続く・・・)