つい先日、私の愛車がとうとう壊れてしまった。
なんたってもう20年落ちの車なので、どっかイカれるだろうとは思っていたのだが。
そろそろ買い換え時か、というわけで•••もちろん!また中古の車を(笑)探しに行ったわけだ。
次は何がいいかな。できればどっか行った時でも常にピアノの練習ができるように•••。
•••みたいなトラックにピアノを積んで旅行にいくのもいいしなあ。
それとも、生徒たちと慰安旅行ができるように
•••みたいなのもいいしなあ。
いや、最近ドライバーに威圧的な運転をふっかけられることもあるので、馬鹿にされないように
•••みたいな車もええなあ。どれがいいかなあ。
というわけで真剣に車選びをするためにも、まずは近所の中古販売店に閉店前に出向いたのだが、どれもみんなそこそこ高い。
いやあ困ったなあ•••と思いきや•••。
もう夕暮れ時だったので、よく見えなかったのだが奥の方の車の値段が
おお!これはスカイライン。しかも3万2千円でっか!!
いいじゃんいいじゃん。なんでこれこんなに安いのかね?
•••と、そこへ営業マンがやってきた。
私「あのーこの車なんですが、なんでこれこんなに安いんですか?」
営業マン「あ、お客様、その、お車は実は••••••」
私「え?でも売ってんでしょ、これ」
営業マン「•••••••••」
早速車の中を見たのだが、何も異常は見られず。
書類を見る限り、事故車でもない。
エンジンはわからないが、しかしこの店は1年間の保証が付いているので、少なくとも1年は何があっても大丈夫。
なーに、2年後にまた考えるという方法もある。なんたって3万円だからねえ!。
「トランクルーム見ていいですか?」
営業マン「•••••汗•••••」
なんだよだんまりッちゃって。なんかまずい点があったら先に言って欲しいなあ。
•••と思いながらトランクルームを開けると•••。
トランクルームの底面一面になぜか赤黒いシミが一面に・・・。
もちろん、清掃されているので、だいぶシミは取れてはいたのだが•••。
しかしどういうわけか、腐敗臭がプ〜ンと•••汗。
芳香剤でごまかされてはいたのだが、どう考えても腐った臭いがする。
私「なんですかねこの赤黒いシミ?トマトを山盛り一杯に積んで腐らせたとか!•笑」
営業マン「•••••••••••」
なんだよこの営業マン、気持ち悪いなあ。何にも言ってくれないし。
私「それとも狩猟関係の人が山に狩りに行って、イノシシ撃って、帰りにトランクにイノシシ入れて帰ってきたら腐敗しちゃったとか?笑」
営業マン「•••••汗•••••」
•••と、トランクルームの蓋の裏を見ると、なにか釘か爪のようなもので引っ掻いた跡が。読んでみると
「のろってやる」
•••と、汗。
「なんですかこれ?」
営業マン「•••••汗•••••」
私「ああ、わかった!これって脱字あんじゃないですか?。つまり•••
のろ(け)てや(が)る。でしょ!笑」
営業マン「•••••汗•••••」
なんだよ、人騒がせな、いたずら書きだなあ。どっかのカップルをヤジったのかね?
とりあえず、トランクがまずいんだろうな。あれじゃ普通の人は買わねーわな。
でも私が乗っていた車だって事故車だったけど、なんともなかったしなあ。
まあ私はそういうの気にしないからねえ。走りゃええねん。
私「とりあえずこの車、商談にしといてくださいよ。また来週来ますから。
営業マン「•••••汗•••••」
営業マンときたら、なんだか顔色悪かったなあ。青白い。よっぽどまずい車なのか?
•••まあでも、どうせ3万円だしなあ。
というわけで一旦帰り、1週間後にまた販売店に行った。
私「すみません、あのう、先週来たんですけど、3万2千円の車、是非買いたいんですけど、担当の営業マン、います?」
営業マンB「え?どの営業の人でしたか?」
私「この人です」と言って先週もらった名刺、販売員、佐藤洋一(仮名)を差し出すと
営業マンB「え!•••あ、あ、あ、あ、あのっ、佐藤洋一が担当したんですか?汗」
なんか相当慌てているようだった。と同時に、真っ青な顔に・・・。
営業マンB「あ、あ、あの、佐藤洋一は既に退職いたしまして•••汗」
私「え?そうだったんですか。まあとりあえずこの車、契約します」
営業マンBは相当びびっており、契約中もボールペンがブルブルと震えていて文字がぐにゃぐにゃ。汗だくだく。
なんだかなー。でも売ってんだし、保証もあるし•••まあいいや。
•••と、契約を済んで、家に帰り、テレビを見ていると
「昨日、指名手配されていた傷害致死容疑のサラリーマン金融の男が逮捕されました。男は去年12月、自動車販売員、佐藤洋一さん(仮名)を金銭トラブルで刺し、車のトランクルームに3週間放置して死なせた疑いが持たれています。近所からは白っぽい車のトランクから異臭がするという通報を受けて現場に駆けつけたところ、佐藤洋一さんを発見したとのことです」
•••ウォー!!まじか!!!。なんてこった!契約破棄できるかな?
•••って場合じゃなかった!。なんだよあの人、死んでいたはずじゃん!おいおい。
•••と、そこへ玄関の呼び鈴が「ピンポーン」っと。
お!素早いねえ。営業の人が来て早速「申し訳ございませんでした。実はあの車はちょっとまずい車でして、他にお車をご用意いたしますので•••」
と言うだろうと玄関を開けると•••そこには•••。
佐藤洋一(仮名)「ご契約ありがとうございました。お車、こちらまでお運びいたしました。どうです?よかったらお車の操作方法を教えますので、ご一緒にドライブでも?」
私「•••••汗•••」
残暑厳しい夏の終わり。少しは涼しんでいただけましたでしょうか?
ほら、あなたの車もバックミラーを見るとそこに営業マンが••••。
注。これはフィクションです。•••いや、一部フィクションじゃないかも?